2006年08月10日 |
昭和電工、「カーボン・ナノファイバー」生産能力を大幅増強 |
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術) 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工は10日、リチウムイオン電池の添加材等に使用されるカーボン・ナノファイバー「VGCF(R)」(気相法炭素繊維)の生産能力増強を決めたと発表した。 高成長が続くリチウムイオン電池向けに需要が急拡大しており、川崎事業所(大川)にある年産40トン設備はフル稼働を継続中。このため年産100トン体制に拡大する。本年下期に着工し、2007年初から操業を開始する。 「VGCF(R )」は、直径約150ナノメートル(1nmは10億分の1メートル) 、長さ約10マイクロメートル(1μmは100万分の1メートル) の微細繊維でチューブ構造をしている。 リチウムイオン電池の電極部へ導電助剤として少量添加することにより、 (1)充・放電の繰り返しによる電気保持容量の低下を抑制し、電池が長持ちする。 (2)電極の導電性が向上するため電池電流量が増加し、大電流放電を必要とする電気製品への使用が可能となる。 リチウムイオン電池は、高性能化が進むノートパソコン、携帯電話、ビデオカメラ、デジタルカメラ等のモバイル機器に広く使用されるほか、最近では大電流を必要とする電動工具分野にも需要が急増している。 新プラントでは、樹脂や金属、セラミックスへの添加用途向けに開発した直径約100ナノメートルの新グレード「VGCF−S」生産も予定している。「VGCF−S」を添加した複合材は、高い導電性・熱伝導性・電磁気遮蔽性等を持つため、静電気を嫌う電子部材キャリアケース等へ使用が見込まれている。 同社は本年スタートした新中期経営計画で同事業を成長事業と位置づけており、2010年の売上高100億円をめざしている。 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1155173287.doc |