2006年08月11日 |
旭化成ケミ、変性PPEとLCPのアロイのフィルムを開発 |
高耐熱性を武器にIT関連分野の市場を開拓へ |
【カテゴリー】:新製品/新技術(原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ |
旭化成ケミカルズは機能性樹脂事業の充実・強化の一環として同社の変性PPE樹脂(商品名・ザイロン)と外部から購入のLCP(液晶ポリマー)とを組み合わせた新規ポリマーアロイによるフィルムの製造技術を開発、市場開拓に乗り出した。 同社が今回開発に成功したのは、200℃の高温に耐えられる高耐熱性を最大の特徴とする高強度フィルム。既存の製品でこれを上回る耐熱性を有するのは高価格のポリイミドフィルムだけといわれる。同社では、リードテープ、剥離フィルム、ICトレー等のいわゆるIT関連分野に独自の市場を確保していけると判断している。 現在同社では、情報電子材料分野に的を絞ってサンプルを配布し、市場の反応を確認中のところ。多くの需要家から耐熱性等に対して高い評価を得ており、このため9月中にも本格販売に踏み切ることになりそう。 旭化成ケミカルズは、機能性樹脂事業の充実・強化を中期経営計画の最重要課題の一つに据えており、その狙いを円滑に実現するため既存のエンジニアリングプラスチックやPPコンパウンドの事業のグローバルな拡充と新規ポリマーアロイの開発・育成に多くのエネルギーを投入しているところ。いずれの場合も、差別化品種の開発・育成によって目標をクリアしていく考え。 うち、ポリマーアロイについては、変性PPEとPPS(ポリフェニレンサルファイド)の組み合わせによる射出成形用品種と、変性PPEとPA(ポリアミド)をアロイ化した自動車外装材向け品種を先行開発して独自の市場を順調に拡大しつつある。これに加えて開発したのが今回の変性PPEとLCPの組み合わせによる新規ポリマーアロイだが、同社ではこれについては専らフィルムに加工して伸ばしていくことにしている。 |