2001年08月09日
「燃料電池戦略研」実用化に向け3段階シナリオ
自動車、2010年までに5万台普及目指す
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:資源エネルギー庁

 資源エネルギー庁長官の私的研究会である「燃料電池実用化戦略研究会」(座長、茅陽一慶応大教授)は、燃料電池の技術開発に当たって「実用化・普及に向けたシナリオ」と「産官学連携」が重要だとするレポートをまとめた。
 実用化・普及に向けたシナリオとしては、普及までを3段階に分け、それぞれに必要な取り組みを行う。

(1)2001年~2005年 基盤整備・技術実証段階
 プロジェクトを着実に実施し燃料電池の安全性・信頼性に関する試験・評価方法を確立。燃料電池自動車、試作車のフリート走行や水素供給ステーションの実証、定置用燃料電池についてもモデルハウス等による実証を行う。

(2)2005年~2010年 導入段階
 燃料電池の実用車、実用品の導入と、その加速を目指す。自動車は約5万台、定置用燃料電池は210万kwを導入目標とする。

(3)2010年以降 普及段階
 燃料電池が本格的に普及。自動車用の燃料供給体制が整備され、量産効果によって価格が低下、市場が自律的に拡大する。
 2020年には自動車約500万台、定置用燃料電池は約1,000万kwの導入を期待する。

 なおこれらの技術開発研究を推進していくに当たっては、官と学は基礎的研究、共通基盤技術、リスクの高い技術の開発、また民は実用化、商品化に向けた研究と、役割分担していくことが重要だとしている。