2006年08月25日
アジアのアジピン酸価格、9月も高水準の見込み
旭化成ケミ、中国向け2,500〜2,600ドルで提示
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:旭化成ケミカルズ

 旭化成ケミカルズはこのほど中国のウレタンメーカーやナイロン66メーカーなど需要家各社に対してアジピン酸の9月の輸出価格を8月と同じレベルに据え置きたい考えを示し、了承を求めた。同社によると、一部のユーザーはいち早く同意を示しているという。
 
 8月の価格はトン当たりCFR2,500〜2,600ドルで、7月とほぼ同一価格となっている。したがって中国の需要家各社が今回の同社の提示価格を受け入れると、最大消費国の中国のアジピン酸の輸入価格は7月以降3ヵ月にわたってかつてない高水準を維持することになる。

 中国をはじめとしたアジアにおけるアジピン酸の取引価格は、今年1〜3月期の同1,200ドル前後をボトムに毎月急騰、7月はついに年初の2倍強のレベルに到達してそのまま現在に至っている。化学製品の中で他に例を見ない急上昇を遂げてきたわけだが、これには中国の需要がウレタン向けを中心に急拡大してきた中で欧州でアジピン酸メーカーの大型プラントが4月から6月にかけて相次いで事故を引き起こし長期間運休したことが大きく作用している。
 現在は各設備とも通常の操業に戻っている。しかしもともと国際需給がタイトバランスであったうえに需要が一段と活発になってきているため、国際市況は売り手主導で推移するかたちが続いている。