2006年08月28日
汎用樹脂の内需の1〜7月計、5品目中4品目が微増
フィルム用の減少を射出成形用等がカバー
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 汎用樹脂の今年1月から7月までの国内向け出荷の累計は、合計5品目のうちPVCを除く4品目が前年同期の実績を上回った。PVCも縮小幅はわずか0.5%であり、このため汎用樹脂メーカーの多くは、懸念されていた相次ぐ値上げに対する市場の反作用は限定された範囲にとどまっていると分析している。
 
 汎用樹脂5種の国内向け出荷数量の対前年同期比は、LDPEが101.6%、HDPEが101.4%、PPが101.5%、PSが100.4%、PVCが99.5%となっている。5樹脂全てが前年同期を下回った生産とは大きく様相を異にしている。
 ただし、ポリオレフィンの主力品種であるフィルム用は3樹脂とも前年を下回っている。それにもかかわらずトータルが前年を上回ったのは、LDPEでは加工紙用が、またHDPEとPPでは射出成形用がともに順調な伸びを遂げたため。また、LDPRとHDPEでは既存の分類法の枠内に入らない「その他」向けがともに大きく伸びている点も注目される。LDPEのその他用は7.7%増の15万5,920トン、HDPEのその他用は12.1%増の7万1,465トンとなっている。PPでは押出成形用が4.9%増の16万2,292トンとなっている点も特に目を引く。
 PSはほぼ前年同期並みにとどまっているが、これはFS用が7.1%もの減少となったため。包装用と電機・工業用がともに3%台の成長を遂げたがFS用の大幅縮小までカバーするには至らなかった。
 
 一方の輸出は樹脂によって前年同期比が大きく異なる。LDPEとPPは大幅増だが、PVCは前年の横並び、HDPEは小幅減、PSは大幅減となっている。最大の輸出先である中国向けの好不調がそのまま表れている。
 この結果、各樹脂の同期の総集荷数量はポリオレフィン3樹脂が揃って前年同期を上回ったものの、PSとPVCはわずかにマイナス成長となっている。

【関連ファイル】
汎用樹脂の出荷の06年1〜7月計の実績
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1156729322.xls