2006年08月29日
三井化学、溶剤3製品の価格を再修正へ
9月1日出荷分から実施、アセトンは11円上げ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は29日、溶剤3製品の国内価格を9月1日出荷分から再修正することにして需要家各社に対し説明と説得を開始したと発表した。
 
 アセトン、MIBK、IPAの3製品が対象で、上げ幅はアセトンがキログラム(以下同)11円、MIBKが21円、IPAが9円。アップ率はアセトンが7%、MIBKが9%、IPAが6%となる。
 
 同社は、これら3製品の価格については原燃料の高騰に対処して6月末から7月末までの間にアセトン18円、MIBK28円、IPA15円の幅でそれぞれ底上げを実現したばかり。その結果、アセトンとIPAの価格はともにナフサ1キロリットル当たり5万500円見合いのレベルに、またMIBKは同4万8,750円見合いの水準に引き上げられた。
 しかしその後もナフサ価格とC重油価格が高騰を続けているためいずれの製品も逆ザヤとなっており、しかも7〜9月期のナフサ価格は同5万5,000円ていどに、またC重油の価格は同6万円(前回の溶剤の値上げ時は5万6,000円)に引き上げられる見通しとなっている。さらに10〜12月期のナフサ価格については5万7,000〜5万8,000円まで上がるとの見方も石油化学企業の間に広がっている。
 
 今回の再修正は、採算確保のためにはこうした原燃料価格の続騰分の製品価格への転嫁が引き続き不可欠として打ち出したもの。アセトンの上げ幅を11円としたのは、ナフサ価格の続騰に伴うプロピレンのコストアップが9円となるのに加えてC重油等の用役費が2円上昇する見通しにあるため。MIBKを21円引き上げることにしたのは、プロピレンのアップ分が12.5円となるので、それにアセトンの用役費2円を加えた合計14.4円に原単位の1.3を乗じた額にMIBK自体の用役費2円を加算するとどうしても21円の再修正が必要になると説明している。IPAの上げ幅を9円としたのは、プロピレンの原単位が0.8なのでナフサの高騰によるコストアップ分が7円となるのに加えて用役費が2円引き上げられる見通しにあるたためという。
 これら3製品の需要は、MMAを中心に誘導品がアジア全体で順調に伸びているので好調を維持している。このため同社では早期決着を図り、そして10月以降に原燃料がさらに上がる事態となれば再度是正に取り組む構えにある。