2006年08月31日
三菱レイヨン、MMAと関連製品の価格を再修正
10月出荷分からキロ20〜30円引き上げへ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは31日、MMA(メチルメタクリレート)モノマーとその関連製品であるMAA(メタクリル酸)モノマーならびにメタクリル酸エステルのそれぞれの国内販売価格を10月1日の出荷分から再修正すると発表した。
 
 6月に続く今年2度目の値上げで、MMAモノマーとMAAモノマーについてはともにキログラム当たり20円、メタクリル酸エステルは同30円以上それぞれ引き上げる。アップ率については明らかにしていないが、MMAモノマーとMAAモノマーは8〜9%、メタクリル酸はほぼ10%になるのではないかと見られる。
 また同社は、これらの製品については国内に先駆けて輸出価格も引き上げることにしている。9月の受注分から実施する計画で、上げ幅としてはMMAモノマーとMAAモノマーがともにトン当たり200ドル、メタクリル酸エステルは同400ドルを予定している。MMAモノマーの場合はCFR同2,000ドルを、またMAAモノマーについては同2,500ドルを目標に掲げていく。
 
 今回の値上げも、前回同様に出発原料のナフサ価格の続騰とメタノールの急騰による採算割れを回避するためのもの。同社では、第3・四半期のナフサ価格が第2・四半期のキロリットル4万8,800円から5万5,000に引き上げられると予想、一方のメタノールについては第3・四半期の価格が第2・四半期のトン280ドルが一気に500ドルに急騰すると判断している。
 
 同社によると、MMAモノマーもまたMAAモノマーやメタクリル酸エステルも現在の需給バランスは国内はもとよりアジア市場全体でも極めてタイトな状態にあるという。これは、アクリル樹脂板、エマルジョン・塗料、透明樹脂、潤滑油添加剤、MBAラテックス、コンクリート混和剤等、全ての分野で需要が順調に伸びているのに対して、生産量がもともと不足していたのに加えてモノマーメーカーの間で操業トラブルが発生したことによるもの。しかも9月以降は、三菱レイヨン、旭化成ケミカルズ、住友化学、三菱ガス化学が相次いでモノマープラントの定修に踏み切るので向こう数ヶ月は品不足が一段と深刻になると同社では予想している。同社では、こうした市場環境を背景に今回も早期決着を目指していく構え。