2006年09月05日
三菱化学、中国にPTAの再値上げを表明
9月分、トン150ドルアップを提示
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱化学

 三菱化学はこのほど、中国のポリエステル大手各社とポリエステル繊維原料PTA(高純度テレフタル酸)の9月の輸出価格交渉を開始した。今回のノミネート価格は、8月の合意価格対比でトン当たり150ドル引き上げるというもの。目標仕上がり価格について明らかにしていないが、14%ていどのアップ率になると見る向きが関係筋の間に多い。

 同社の希望が通ると5ヵ月連続の輸出価格の引き上げとなる。今回の値上げも原料PX(パラキシレン)の続騰に対処するためのもの。PXのアジア価格は4月のトン1,010ドルをボトムに毎月上昇、9月の価格は8月比同170ドル高の同1,460ドルに引き上げられることが確定している。需給バランスが世界全体でこれまでなく逼迫していることによるもので、PTAメーカーの多くがPX不足から生産調整を余儀なくされつつある。特にニューカマーや増設メーカーは生産計画の抜本的な見直しを迫れている。

 こうした事態を反映して中国のポリエステル重合企業の間では、先ずは原料確保に全力を投入せざるを得ないと考える向きが増えてきている。また、ポリエステル繊維業界にも先行きの供給不安と原料の先高観が広まり、繊維市況の上昇を招いている。直近の中国国内の完全延伸長繊維の市況はトン当たり1万3,500〜1万3,800元で、1ヵ月前の400〜600元高、部分延伸長繊維は1万4,000〜1万4,200元で、1,000〜1,200元高、チップが1万3,100ドル平均で900ドル高となっている。