2006年09月08日
アジアのプロピレン相場が小反落
市場に先行き需給緩和観が広がる
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外、市況)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびに石化センター筋によると、高騰を続けていたアジアのプロピレンのスポット相場が先週末から今週半ばにかけて小反落してきた。
直近のCFR価格の平均は、極東地域でトン当たり1,330ドル、東南アジア地域で同1,320ドルとなっている。1週間前に比べると、極東でも東南アジアでも同10〜15ドルの値下がりとなる。

 極東では6月末いらい、また東南アジアでは6月上旬いらい続いてきた続騰に久々に歯止めがかかったことになる。この背景について大手商社では、最大の消費分野であるポリプロピレン(PP)の需要が8月における米国品の大量流入によって緩和して価格も低下したこと、アジア地域のANやPPメーカーの間でプラントの定修に加えて当面の需給調整を目的に減産に乗り出すところが出てきたこと、日本やシンガポールや韓国でメタセシス装置が相次いで稼動し始めたこと等から市場に先行きの緩和観が広がってきた点が大きな要因と分析している。

 もっとも、同じオレフィンでもエチレンのスポット価格は引き続き強含みで推移している。中国でVCMやSMの新増設が相次いで稼動を開始しつつあることによるもにで、極東では同1,430ドル、東南アジアでは1,460ドルが通っている。ただし、最近の原油のスポット相場の軟化傾向から判断してエチレンの相場も現在がピークとなると多くの商社では予想している。