2006年09月08日
東レ、LCDバックライト用機能統合フィルムの開発に成功
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:東レ

東レは8日、液晶ディスプレイ(LCD)のバックライト(光源)に用いる革新的な光学用ポリエステル(PET)フィルムの開発に世界で初めて成功したと発表した。バックライトの光線を画面全体に広げる拡散板(乳白板)をはじめ、集光機能を持つビーズシートやプリズムシートなどを1枚のフィルムにまとめることが可能となる。
 
 同社は、今秋からユーザーへのサンプル配布を開始する。今年度末には大型液晶テレビのバックライト用途を中心に本格展開する。また、薄膜、軽量、高い光透過性に加え、優れた光拡散性と集光性などの特長を活かし、リアプロジェクション用スクリーンなどの各種機能フィルム、スクリーン材料としても幅広く展開する計画だ。
 
 今回開発したフィルムは、独自のフィルム設計技術と表面加工技術の融合によって実現した。技術ポイントは下記のとおり。

(1)「高性能内部拡散フィルム基材」の実現
 バックライトの光を画面全体に広げる役割を担う拡散素子として、独自設計の屈折率制御ポリマー粒子を適用した。これを新開発の特殊混練技術と高精度延伸製膜技術によりフィルム中に最適配置することで、これまで二律背反の関係にあった光透過性と光拡散性を高レベルで両立することに成功した。
 
(2)「特殊形状インプリント」による光線制御
 フィルムの表面に微細な凹凸を転写する「表面インプリント技術」を新たに開発し、高い光透過性と優れた光拡散性を両立した内部拡散フィルム基材表面に、光拡散機能と集光機能を併せ持つ特殊ストライプレンズ層を形成することに成功した。レンズ層の厚みは僅か10〜50ミクロンで、バックライトの性能や特徴に応じて光線を制御することが可能である。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1157707434.pdf