2006年09月08日
タイのTOCが定修を来年1月まで延期へ
アジアの当面の供給力不足は回避か
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社各社が現地で入手した情報によると、タイの石油化学企業のTOCは、今月中旬から実施する予定であったエチレン第1号機の定修を来年1月まで延期することを決めた模様。
 
 TOCはタイ石油公社「PTT」のグループ会社の一つで、現在は年産38万5,000トン能力の第1号機と同30万トンの第2号機の二つのエチレンプラントをマプタプートコンビナート内で稼動中。うち第1号機については、今年9月中旬から35日間運休して定修を実施する予定であったが、ここにきて突然計画を変更する旨を国の内外の関係各企業に伝えてきたもの。
 
 現在アジア地域では、台湾・CPCの年産(以下同)55万トン、東燃化学の51万5,000トン、韓国・SKの65万トンの合計3基のエチレンプラントが定修のため運休中。これらは9月第3週から第4週にかけて定修を完了して稼動を再開する予定にある。しかしそれに先駆けて来週からは出光興産の65万トン設備と台湾・FPCの70万トン装置、それとTOCの38万5,000トンプラントがそれぞれ1ヵ月強にわたって定修を実施することになっていた。計画通りに定修が実施されるとアジア地域全体のオレフィンの需給バランスは引き続きタイトのまま推移する見通しにあったが、今回のTOCの延期で当眼の供給力不足は解消されることになりそう。