2001年08月08日
中国の2Qの樹脂輸入、サウジ、台湾、シンガポール品が著増
日本品はLDとHDが大幅減、塩ビ以外はランクもダウン
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品
【関連企業・団体】:なし

 中国による汎用樹脂の今年第2・四半期における輸入通関数量は、ABSを含む6樹脂全てが前年同期の実績を上回った。ポリオレフィン3樹脂とPVCの4樹脂の伸び率が特に高い。LDPEは65.4%、HDPEは65.0%、PPは49.4%、PVCは47.2%‐‐の伸びとなっている。
 国別では、今年春からポリオレフィンの本格的な生産販売活動を開始したサウジアラビア、台湾、シンガポールの3ヵ国のポリオレフィンの増大が目立つ。一方、かねてから中国向け輸出の拡大に多くのエネルギーを費やしてきている韓国の製品は、どの樹脂も依然として順調な伸びを維持している。それに対して日本品は、PVCとPPこそ好調を持続しているものの、PSとABSは横並びにとどまり、LDPEとHDPEはともに大幅な減少となっている。
 日本の製品の場合、主な対中輸出国のなかではPVCを除いて次第に数量面でのランクも下がってきている。PVCは依然としてトップの地位にあるが、PPは3位、、ABSとHDPEは4位、PSは5位、LDPEにいたっては前年の3位から6位に下がっている。後発国との価格競争についていけなくなりつつある様子が端的に浮き彫りにされていると言えそう。

 中国による各樹脂の2Qの輸入通関数量は以下の通り。かっこ内は前年同期比。

 [LDPE]=58万5,898トン(165.4%)
  うち日本品= 3万4,233トン( 90.0%)
 [HDPE]=40万4,634トン(165.0%)
  うち日本品= 3万4,310トン( 86.2%)
 [PP]  =56万9,356トン(149.4%)
  うち日本品= 5万1,867トン(131.0%)
 [PS]  =33万9,173トン(108.4%)
  うち日本品= 5万2,729トン(102.8%)
 [ABS] =35万6,786トン(103.3%)
  うち日本品= 3万0,140トン( 89.5%)
 [PVC] =46万8,206トン(147.2%)
  うち日本品=12万8,687トン(131.7%)