2006年09月12日
PEの値上げ交渉、中堅フィルム企業が有額回答
上げ幅をキロ14〜15円に縮小するよう要求
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 ポリエチレンメーカーによると、7月末から8月はじめにかけて各社が打ち出した第8次価格修正に対して主要消費先であるフィルムメーカーのうちの中堅企業の多くがここにきて一定の幅の値上げを受け入れる旨を表明し始めた。
 
 現在のところ、中堅フィルムメーカーの多くは、上げ幅をキログラム当たり14〜15円に抑えるなら今回も値上げを容認せざるを得ないとの考えを明らかにしているという。PEメーカーが今回の値上げで打ち出した上げ幅は同18〜22円なので、現在の需要家側の回答との間にはまだかなりの開きがある。
 したがって、PE各社とも引き続き満額回答を引き出すため説得を続けていくとしている。また、同じフィルムメーカーでも大手からはまだ有額回答を得ていないのでこれらの需要家には早急な本格交渉のスタートを強く要請していくことにしている。
 
 これに対して大手フィルムメーカーや加工紙メーカーの中には、原料ナフサの先行きの価格が当初の予想ほどには上がらない公算が濃厚になってきたとして上げ幅の縮小を強く求める構えのところも少なからず存在する。ただし最近は、これらフィルムメーカーをはじめ需要業界全体が事業の継続のためにはそれぞれの製品価格を原油の高騰に合わせてタイイングを逸することなく改善していくほかないとの意識を強めているだけに、さほど遠くない時期にお互いが整合性に富む妥協点を見い出して歩み寄るのではないかと見られる。