2006年09月14日
カネカ、自動車メーカーと共同で部材開発を加速
研究開発本部に「自動車部材開発室」を新設
【カテゴリー】:経営(新製品/新技術)
【関連企業・団体】:カネカ

 カネカは14日、自動車メーカーと共同で、自動車部材事業を本格展開すると発表した。これまでもビーズ法発泡ポリプロピレンが自動車バンパーの緩衝材として使用されてきたなどの実績はあるが、今後は自動車産業のキーワードである「環境・安全・快適」に応えた部材の開発に本格的に取り組む。

 このため同社は研究開発本部内に「自動車部材開発室」を設置。自動車産業の開発戦略や技術の方向性をいち早く把握するとともに、自動車メーカーと共同でテーマを設定し、最適な新製品・新技術開発に取り組むことにした。

 同社は、得意な高分子技術をベースに、コアシェルポリマー技術、反応硬化型テレケリックポリマー技術、ナノコンポジット技術を深耕させ、昨年から塩素含有アクリルグラフト共重合樹脂、エポキシ樹脂用モディファイヤー、ポリアクリレート系反応硬化型テレケリック液状樹脂、ナノコンポジット系射出成形用樹脂などを相次いで市場投入してきた。
 
 すでに一部では、自動車部材として採用が始まっているが、今後も、世界初開発の精密重合(リビングカチオン、リビングラジカルによる分子制御)による熱可塑エラストマーなどの開発を積極的に進める。

 自動車業界では従来の軽量化や環境対応、ハイブリッド、燃料電池などのガソリン車に替わる複数の次世代パワートレインが提案され、同時に高度なエレクトロニクス化も急務となっている。車載部材では「材料革命」の到来とさえいわれている。

 カネカは研究開発本部に機能性材料、エレクトロニクス、ライフサイエンス、樹脂加工の各RDセンター、さらに事業部ごとに各研究部門をもっており、今後はこれらが保有する関連技術を横断的に組み合わせることにより、自動車用高機能性部材の開発に対応していく方針である。

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1158208329.doc