2006年09月20日
SABIC等がEGのCPの据え置きを通告
アジア諸国向けの10月の価格も990ドルに
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 サウジアラビアのSABICマーケティングと英国のEMグローバルの両社は、EG(エチレングリコール)の10月におけるアジア諸国向け契約価格(ACP)をトン当たりCFR990ドルに据え置く旨を今週明けに相次いで同地域の需要家各社に通告してきた。

 EGのACPは、4月の同850ドルをボトムに9月まで毎月上昇を続けてきた。これは、世界全体の需給バランスがポリエステル繊維向けを中心とした中国の需要の拡大を支えにタイト化してきたことによるものであった。
 しかし、最近の中国のポリエステル重合企業など需要家の多くは、出発原料ナフサの国際相場が原油の国際スポット相場の下落に伴って急速に下降してきたことからEG各社が10月のコントラクト価格を引き下げる公算が高いと判断していた。

 今回の両大手サプライヤーの通告内容は、そうした多くの需要家の予想と期待に相反するもの。しかし、10月以降のアジア地域のEGの需給バランスは、中国の国慶節明けとともにポリエステル繊維の冬物の需要が本格化する見通しもあって一層タイトになる公算が濃厚となっている。このため、結局は今回も両大手の通告がそのまま市場に受け入れられることになるというのが関係者に共通した見方となりつつある。