2006年09月21日
SPDC、L-Lの10月の対中輸出価格を据え置き
需給は引き続きタイトバランスと予想
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 サウディ石油化学(SPDC)は20日、中国のL-LDPEの需要家各社に対して同樹脂(商品名・QAMAR)の10月の輸出価格を9月と同じレベルに据え置く考えを表明した。需要家各社が同意すれば、高透明グレードはトン当たりCFR1,390ドル、ナチュラルグレードは同1,380ドルにそれぞれ据え置かれることになる。

 同社は、今年春以降の原油の高騰と同樹脂の需給のタイト化に歩調を合わせQAMARの対中国輸出価格を毎月引き上げてきた。9月の価格は、3ヵ月前に比べると同140〜150ドル高となっており、これに引っ張られて他社のL-LDPEの価格もほぼ同じレベルまで引き上げられてきている。
 しかし9月に入ってからは、原油の国際スポット相場が反落したのに伴いアジア地域全体の石油化学製品の需要家の多くが10月の価格について値下げを強く求めてくるようになったため同樹脂のプライスリーダの一つであるSPDCがどう対応するかが各国のポリエチレン関係者から注目されていた。

 そういった中での今回の同社の据え置き表明は、需要家側の値下げ要求を真っ向から押し返すものだけに、これまでのように中国のユーザー各社がすんなり受け入れるかどうかはいまのところはっきりしない。ただし同社では、中国の需給は今後も引き続きタイトバランスで推移すると予想しており、したがって今回も比較的短期間にQAMARをソールドアウトできると判断している。