2006年09月26日
汎用5樹脂の出荷の1〜8月計、4品種が前年超え
国内向けが射出品種中心に着実な伸び
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 汎用5樹脂の今年1月から8月までの出荷の累計は、PVCを除く4樹脂が前年同期の実績を上回った。PVCもわずか0.5%減なのでほぼ前年並みということになる。4樹脂の中では、LDPEの3.7%増とPPの3.3%増が特に目を引く。
 
 うち国内向け出荷も、PVCを除く4樹脂が軒並み前年同期を上回っている。ただし伸び率は、最も高いPPでも2.6%で、全体に低成長にとどまっている。ポリオレフィンの場合は、主力品種の一つであるフィルム用が軒並み前年同期を割り込んだのが響いている。それでもトータルが前年を上回ったのは、射出成形用がいずれも順調な伸びを遂げたのと加工紙用が着実に伸びたため。HDPEとPPの射出成形用の伸びには、パレット・コンテナー用品種が大幅増が大きく作用している。
PSの国内向けでは、包装用が3.8%、電機・工業用が3.7%それぞれ伸びている点が注目される。もっとも、これら4樹脂の国内向けの伸びには7〜8月に発生した値上げ前のいわゆる前倒し需要が少なからず寄与したと見られる。
 PVCの国内向けが1.2%のマイナス成長となったのは、主力の硬質用が1.4%減となったことによる。

 一方の輸出は、輸出余力があったLDPEとPPは前年を大きく上回ったが、中国のカーバイド法製品との競合が激化しているPVCは0.7%増にとどまり、台湾や韓国との競争で劣位に立たされているHDPEとPSは前年割れを余儀なくされている。
 汎用5樹脂の1〜8月の生産・出荷数量は別表の通り。

【関連ファイル】
汎用5樹脂の06年1〜8月の生産・出荷実績
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1159236839.xls