2006年09月27日
三井化学、エポキシ価格を再修正へ
10月1日出荷分からキロ12円引き上げ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は27日、エポキシ(基本品種の液状エポキシ)の国内価格を10月1日の出荷分から再修正すると発表した。上げ幅はキログラム当たり12円。引き上げ率は3.5%になる。
 
 同社によるエポキシ(EX)の国内価格の引き上げはこれが今年に入って2度目。04年7月以降では7度目となる。
 前回(今年4月)は、原料のビスフェノール-A(BPA)とエピクロルヒドリン(ECH)の価格がともに同20円引き上げられたのと、C重油がキロリットル当たり2万6,000円値上げされたのに対応して同31円引き上げた。
 
 今回は、2種類の原料のうちのECHが7月に同20円再値上げされたのに伴うコストアップ分だけを製品価格に転嫁する。上げ幅を同12円としたのは、総原料費に占めるECHの原単位が6割となっているため。

 同社によると、EXの需要は国内でもまたアジア全体でも自動車用カチオン電着塗装向けや積層板向けを中心に引き続き順調に拡大している。ベースの液状EXの今年の国内需要は前年を3%上回るペースで推移、また中国向けを主体とする輸出は34%増となる見通しにあるという。固形の自家消費分を含めた今年の国内総需要量は前年比1.4%増の9万4,566トンになるというのが同社の現在の推定。対する国内の総供給能力は年9万5,000〜9万6,000トンと見られている。つまりは同社をはじめEXメーカー全てがフル生産を続けているのが実情であり、また、アジア地域全体でも需給バランスは極めてタイトな状態が続いているという。
 こうした中で安定供給責任を果たしていくには、今回も原料ECHの高騰分の製品価格への転嫁はどうしても需要家各社に認めてもらうほかないと説明している。
 なお、ECHの最大手のダウでは原料高に対処してECHの価格を10月に再度20円引き上げる考えを表明している。このため三井化学がそれに合わせてEXを追加値上げする可能性もある。