2006年09月29日
中環審リサイクル部会も「基本方針」に重要事項追加
市町村の円滑な引渡しや容器包装の薄肉化など
【カテゴリー】:行政/団体(原料/樹脂/化成品、環境/安全)
【関連企業・団体】:環境省

 環境省は28日に開催した中央環境審議会廃棄物・リサイクル部会の「容器包装の3R推進に関する小委員会」の第3回会合において、政府の定める「容器包装廃棄物の排出の抑制並びにその分別収集及び分別基準適合物の再商品化の促進に関する基本方針」に新たに盛り込むべき主な事項ついて各委員から意見を求めた。
 その結果、さる26日に開催された産業構造審議会環境部会の廃棄物・リサイクル小委員会の第39回容器包装ワーキンググループ会合における討議と同様に、「市町村による指定法人への分別収集容器包装廃棄物の円滑な引き渡し」や「容器包装の有償提供や製品の薄肉化等による小売事業者の排出抑制策の推進」などを追加すべきとの発言が相次ぎ、同省としてもそうした意見を尊重して今後の行政に反映していくこととした。
 
 多くの委員から追加が必要と指摘された重要項目の一つの「市町村による容器包装廃棄物の指定法人への円滑な引き渡し」は、昨年いらい分別収集PETボトルの多くが指定法人に引き渡されないで海外に輸出されているため同ボトルの容器包装リサイクル法に基づく再商品化(リサイクル)活動が大きく阻害されている点を重視して市町村に改善を求めているもの。市町村による今年度のPETボトルの分別収集計画量は28万5,000トンだが、国のリサイクル指定法人である日本容器包装リサイクル協会への引渡し申込量は14万4,078トンにすぎず、このため同ボトルのリサイクル事業者の中には原料不足から事業の継続困難に陥るところが続出する事態となっている。ちなみにほとんどが同ボトルで占められるPETくずの今年1〜6月期の輸出通関数量は11万6,698トンとなっている。
 
 もう一つの重要追加項目として挙げられている「小売事業者の排出抑制」は、レジ袋など容器包装の有償化によって消費者による容器包装廃棄物の排出の抑制を促すとともに、薄肉化・軽量化された容器包装や詰め替え可能な商品、さらにはリターナブル容器による商品を選択することで容器包装廃棄物全体の排出削減を促進することを小売事業者に求めるもの。
 また、同省が分別基準適合物の再商品化を促進する方策の事務局案の一つとして示した「プラスチック製容器包装の再商品化手法に《固形燃料等の燃料=RPF化》を追加する」ことについても多くの委員が賛意を表明した。