2006年10月03日 |
容リ協のPETボトル引き取り量、依然として低水準 |
市町村による分別収集品の輸出量がさらに拡大 |
【カテゴリー】:環境/安全(原料/樹脂/化成品、実績/統計) 【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会 |
容器包装リサイクル法に基づく国のリサイクル指定法人である日本容器包装リサイクル協会が8月中に全国の市町村から引き取った使用済みPETボトルの総数量は1万5,526トンとなった。前年同月を18.9%下回っている。 これで同協会の月間引き取り量は17ヶ月連続の前年同月割れとなった。今年度に入ってからの累計、すなわち4月から8月までのトータルは6万1,475トンで、前年同期を19.3%下回っている。 このように同協会の引き取り量が引き続き縮小を続けているのは、同法に沿って一般家庭から使用済みPETボトルを分別収集した市町村の中で同ボトルの多くを香港地域を中心とした中国向け貿易商社に売却するところが増えてきたため。 財務省の貿易統計によると、同ボトルが大半を占めると見られるPETくずの8月の輸出通関数量は2万4,410トンで、同月の同協会の引き取り数量を57.2%上回っている。同省がPETくずを統計対象に取り上げるようになった今年1月以降の最大規模であり、その結果1〜8月の累計は16万4,695トンに達している。 同協会の引き取り量の縮小に歩調を合わせて、同協会からの委託を受けて同ボトルを再商品化(リサイクル)する事業者のリサイクル量も昨年8月以降、連続13ヶ月にわたって前年同月を下回っている。8月のリサイクル量は9,135トンで、前年同月を14.5%割り込んでいる。4月からの累計は4万2,263トンで、前年同期を35.9%下回っている。 引き取り数量以上の低迷となっているわけだが、これには、大型装置によってボトルtoボトル事業をスタートさせていた企業が原料不足のため操業中止に追い込まれたことが大きく影響している。8月のボトル化数量はわずか6トンにとどまっている。ちなみに、ピーク時(05年5月)の処理量は3,587トンであった。 このままいくと、容リ法によるPETボトルのリサイクルシステムは遠からず重大な危機を迎えることになる。 |