2006年10月06日
東ソー、南陽のLDPE設備を改造へ
第1系列をEVAの高酢ビ品種専用に
【カテゴリー】:経営(原料/樹脂/化成品、新製品/新技術)
【関連企業・団体】:東ソー

 東ソーは、このほど南陽工場内でLDPE設備の第1系列の手直し改良工事に着手した。これは、同工場内で稼動中の合計3系列のLDPE設備のうちの年産2万トン能力設備をEVA(エチレン酢ビコポリマー)の高酢ビ専用に改良しようというもの。10月2日から23日までの間に実施する定修に合わせて必要な工事を全て完了する予定。生産能力は従来と同じ。
 
 これによって、これまで最大20%程度であった同設備によるEVAの酢ビコンテントを最大33%まで引き上げることができるという。この結果、同工場で製造可能となる高酢ビの量は、第2系列分と合わせて最大年間4万トンとなる。同工場で生産されるLDPE全体のうち最大でおよそ50%が高酢ビEVAで占められることになる。
 
 今回同社が高酢ビEVAの生産比率を大きく引き上げることにしたのは、このところ、太陽電池の電極の封止膜や液晶ディスプレーのマスキングフィルム向けさらには難燃性電線被覆材向け等に同品種の需要が順調な伸びを遂げ、しかも今後一段と拡大していく公算が確実と判断したため。
 EVAの高酢ビ品種については、同社のほか同じくベッセル法設備の保有率が高い三井・デュポンポリケミカルや住友化学も育成に力を入れており、これに伴い新しい用途の開拓も順調に進んでいく見通しにある。