2006年10月10日
アジアでPTAメーカーが相次ぎ減産へ
台湾・CAPCOは6系列中4系列を運休
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外)
【関連企業・団体】:なし

 アジア地域におけるPTAならびにTPAメーカーの大手がここにきて相次いで大幅減産に乗り出した。最大手の台湾・CAPCOが合計6系列の装置のうち4系列を9月中旬から運休しているのをはじめ、日本、韓国の大手メーカーが競うように大幅減産に踏み切っている。

 わが国の大手PTAメーカーの調べによると、現在アジアで減産を目的とした運休中のプラントの総設備能力は年産40万トン規模に達している模様。アジアにおけるPTA(TPAを含む)の総設備能力は年230万トンと見られている。そのうちの17%強が運休中ということになる。最近では、今年6月に多くのPTA企業が相次いで減産に踏み切って注目されたが、このときの運休設備規模は20万トンであった。今回はそれを大きく上回る規模で減産が実施されている。しかも今後、インドネシア、タイ、インド等でも同様の行動を取るところが相次ぐと見られている。

 これは、最大の消費国である中国のポリエステル重合企業とトレーダーが9月中旬以降、原油の国際スポット相場下降に合わせてPTAの徹底した買い控えに乗り出したことに対処してのもの。中国のポリエステルメーカーとトレーダーは、アジア各国の大手PTAメーカーの9月分のコントラクト分のオファーを全て拒否しており、このため一部のスポット品を除いて9月の商談は完全な不調に終わっている。

 中国側は国慶節明けも歩み寄りを見せておらず、したがって10月納入分はもとより11月の契約も見通しが立たないままの状態にある。PTA側もここであせって契約をまとめようとすれば、大幅な採算割れに陥るので減産によって需給均衡を図っていくほかないとの考え。したがって、当分は双方のがまん比べが続くことになりそうだ。