2006年10月11日 |
樹脂値上げ、PEフィルムメーカーも容認へ |
残るはPPのフィルム用とPEのラミ品種の交渉 |
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況) 【関連企業・団体】:なし |
ポリオレフィン各社と樹脂加工企業との間で進められてきた第8次値上げ交渉は、今週に入ってポリエチレンフィルムメーカーの多くが上げ幅の縮小を条件に10月1日出荷分からの新価格への移行を相次いで容認しはじめたことからいよいよ大詰めの段階を迎えた。ただし、残るPPのフィルム用品種とLDPEのラミネート品種の交渉は、最終ユーザーが包装材料の値上げに強い抵抗を示すことで知られる食品業界なだけにレジン各社とも説得にこれまで以上の苦労を強いられそう。 ポリオレフィン各社が打ち出した今回のいわゆる第8次価格修正は、交渉の途中で原油とナフサの国際スポット相場が反落するという異例の事態の発生によってレジン各社が大幅な下方修正を余儀なくされる中で進められてきた。当初において多くのポリオレフィンメーカーが打ち出した上げ幅は、ホモポリマーがキログラム当たり18円、ハイヤーオレフィンコモノマーによるL-LDPEが22円であった。これは、今年下期のナフサ価格がキロリットル当たり5万7,000円前後に跳ね上がるのが必至と想定してのものであったが、その後にナフサ価格の上昇幅が当初の予想を大幅に下回る見通しとなってきたためレジン各社とも9月中旬以降は上げ幅を下方修正して交渉に臨んできた。 最近のポリオレフィンメーカーの提示額の多くは、ホモポリマーで12円、ハイヤーオレフィン品種で14円といったところ。当初の提示額を6〜8円縮小するケースが多い。 これを受けて先週までに産業材料分野、つまりパイプ、射出成形、中空成形等の品種についてはごく一部のを大手ユーザーを除くほとんどの需要家が受け入れを表明していたが、今週に入ってからはPEフィルムメーカーの多くもこれに加わってきている。7月から12月までのナフサ価格の上昇分見合いの値上げは容認せざるを得ないとの考えによるものと見られる。残るPPのフィルム用とLDPEのラミネート用については加工メーカーとコンバータの抵抗が強いが、レジン各社とも、ここで腰を引いてはポリオレフィン全体の価格体系が大きく混乱してレジン業界と樹脂加工製品業界の双方に大きなダメージを与えることになるので何としても早期に同意を取り付けたいとしている。 |