2006年10月12日
三菱レイヨン、PMMA成形材料を再値上げ
国内向けはキロ30円、輸出価格はトン300ドル上げ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三菱レイヨン

 三菱レイヨンは12日、PMMA成形材料(商品名;アクリペット)の販売価格を10月16日出荷分から再度引き上げることにして需要家各社と交渉を開始したと発表した。
 
 国内向けをキログラム当たり30円、輸出価格をトン300ドルそれぞれ引き上げる。国内向けのアップ率は10%強となる。今年に入ってからは7月に実施した同15〜20円の値上げに続く2度目の価格修正。一方の輸出価格については、香港引渡し価格で2,500ドルへの引き上げを目指すとしている。
 
 今回の成形材料の再修正も前回同様に原料MMAモノマーの値上がりに対処してのもの。前回は自動車部品向けが需要家各社の強い抵抗にあって狙い通りの幅での是正ができなかったが、その後アジア全域で同成形材料全体の需給バランスが極度に逼迫してきたので今回は全分野にわたって同社が完全に主導権を持って交渉を進めていけると同社では判断している。
 需給が逼迫しているのは、アジア地域における需要が自動車部品向けの好調の持続と導光板向けの急回復によって全域で順調に拡大しているのに対して、世界各地で原料モノマーメーカーの操業トラブルと定修入りが重なったことで同成形材料の供給力が激減してきたため。同社によると特に10〜12月の間はモノマー不足が深刻で、このためアジア地域における同成形材料メーカーも軒並み大幅減産を余儀なくされる見通しにある。