2006年10月16日
プライムポリマーがHDPEの新品種を開発
メタロセン触媒による高強度パイプ用品種
【カテゴリー】:新製品/新技術(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:プライムポリマー

 プライムポリマーはメタロセン触媒によるHDPE(高密度ポリエチレン)のパイプ用品種の開発に成功、同社千葉工場内で本格工業化に入るとともに国内のパイプメーカーへのサンプル配布を開始した。

 今回同社が開発した品種は、ISO(国際標準規格)のポリエチレンパイプに関する規格の中でも最高の強度が求められる規格「PE100」の必要条件を十分上回るとともに、既存のHDPEのパイプ用品種と同等の優れた成形性も併せ持つというもの。
 うち強度に関しては、口径100〜200ミリメートルのパイプの場合で向こう50年にわたって10メガパスカルの内圧に十分耐え続けられる設計となっている。この点については国際評価機関が詳細にチェックして承認ずみという。
 一方の成形性については、分子量を一回り小さい口径の規格の「PE80」対応品種と同等のレベルに抑えることで「PE80」規格製品の場合と同じ温度で成形できるようにしている。通常は、製品の強度を上げればその分成形性が低下して成形時間が余計にかかり、またそれに伴い消費エネルギー量も増える結果となる。この点はパイプ成形企業に取っては大きな悩みであり、これがHDPEの大口径パイプの普及の重大な障害となっていた。今回同社はそうしたネックを独特の触媒技術と合成技術によって解消するのに成功したもの。具体的には、MSRを従来の0.2〜0.4から1.0に引き上げるのに成功、その結果、新品種は既存の高分子量品種の生産性を30%強上回るレベルになっているという。
 
 同社では、主として配水用に普及を図っていきたい考え。適度の柔軟性も備えているので、長期安全性に富みなおかつ施工も容易な配水パイプを強く求める地方自治体の間で人気を呼ぶものと期待されている。