2006年10月17日
PSの国内向け出荷、9月も前年の14%増と好調
7〜9月合計も全分野が前年超えで8%の増加
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本スチレン工業会

 日本スチレン工業会が17日に集計したところによると、PS(ポリスチレン)の国内向け出荷は9月も引き続き好調で、前年同月を14%上回って8万7,709トンに達した。これで5ヵ月連続の前年同月超えとなった。
 
 電機・工業用が4ヵ月連続の前年同月超えの18%増、包装用が5ヵ月連続の前年同月超えの10%増、雑貨産業用が3ヵ月振りの前年同月超えの18%増、FS用が2ヵ月連続の前年同月超えの16%増と、全て2けたの伸びとなっている点が注目される。実需の回復に加えて、同樹脂各社の値上げ表明によって前倒し需要が発生したことが大幅増の要因になっていると見られている。
 電機・工業用ではTV向けと記録メディア向け、さらには冷蔵庫向けが特に好調であったという。包装用ではOPS向けとHIシート向けが、またFS用ではPSP向けとボード向けがともに大きな伸びを遂げたとされる。
 反面、輸出は引き続き仕向け先が特定の需要家向けに絞られているため前年同月を26%下回った。今年に入って全ての月が前年同月割れとなっている。
 この結果、総出荷量は13%増の8万9,373トンとなった。これも5ヵ月連続の前年同月超えである。
 一方の生産も、内需の好調を反映して16%増の8万1,339トンとなった。3ヵ月連続の前年同月超えである。しかし出荷がそれを大きく上回ったため月末在庫は12%減の7万8,806トンに縮小した。7万トン台間での縮小は04年9月いらいとなる。
 
 こうした結果、PSの7〜9月期の国内向け出荷数量は前年同期比8%増の23万6,784トンとなった。1〜3月期に前年同期を4%下回ったあと、2・四半期連続の前年同期超えとなった。電機・工業用と雑貨・産業はともに3・四半期連続の前年同期超えとなった。また包装用はHIシート向けとOPS向けの好調で2・四半期連続して前年同期を上回った。FS用も前期に続いての前年同期超えである。
 輸出は13%減となったが絶対量が小さいため出荷全体に及ぼす影響はほとんどなく、したがって出荷合計は8%増の24万2,703トンという高水準となった。前期に続いての前年同期超えである。
 生産は、定修が1社にとどまったこともあって12%増の24万1,974トンとなった。1・四半期24万トン台の生産は04年10〜12月期いらいの高水準である。