2006年10月17日
東レ、韓国で電子回路用基板フィルム事業化
液晶パネル需要の急増に対応、5年後グループ売上高180億円
【カテゴリー】:経営(海外)
【関連企業・団体】:東レ

 東レは17日、韓国で電子回路用のフレキシブル基板フィルムを現地生産すると発表した。韓国子会社の東レセハン社(TSI=本社:ソウル特別市)に、総額約30億円を投じて、高密度電子回路用電解メッキ法2層型フレキシブル基板フィルム「メタロイヤル」の生産設備を新設する。
 
 生産能力は年70万平方メートル(COF標準品換算)で、2007年10月の稼働開始を目指す。
  
 「メタロイヤル」は、東レフィルム加工(TAF=本社:東京都中央区)が開発、生産販売している2層型フレキシブル基板フィルムで、ノートパソコンや液晶テレビ、携帯電話等の液晶パネルの駆動用半導体チップを搭載する回路基板や高密度コネクター機材などに広く使われている。
 
 電解メッキ法によりポリイミドフィルムの表面に厚さ2〜18ミクロンの銅メッキ加工を施したもので、銅メッキ層とベースフィルムの密着性が高く、ファインピッチ・エッチング加工性や耐屈曲性、耐熱性に優れている。
 
 近年、回路基板フィルムの分野では、大型液晶パネルの薄型化や駆動装置の小型化の流れを受けて、フィルムと銅箔を接着剤で貼り合わせた3層型基板フィルムから、「メタロイヤル」を主流とした2層型基板フィルムへの転換が予想以上の速さで進んでいる。
 
 日本や韓国、台湾では、今後も液晶関連需要の好調から2層型フレキシブル基板フィルムの需要拡大が期待されているが、東レでは引き続き日・韓両拠点で増設を進め、2010年度には「メタロイヤル」のグループ売上高を現在の3倍、180億円に拡大する計画だ。

ニュースリリース参照 
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1161075475.pdf