2006年10月18日
PVCの出荷、3Q計は前年の4.6%減に
国内向けが9%減と不振、輸出は4.2%増
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が18日に集計したところによると、PVC(塩ビポリマー)の9月の生産量は前年同月を1.0%上回ったが、出荷量は逆に5.0%縮小した。3ヵ月連続の前年同月割れである。これに伴い、7〜9月期のトータルも、総生産量が前年同期を1.1%上回った反面、総出荷量は4.6%減となっている。
 
 9月の出荷が前年同月を5.0%下回ったのは、国内需要が硬質用も軟質用も電線その他用も全て不調で国内向け総出荷量が12.7%減と大幅に落ち込んだため。これで国内向けは3ヵ月連続の前年同月割れとなった。主力の硬質用が公共投資の低迷の影響で14.8%減となったのが特に響いている。輸出は中国向けが8月に続いて好調に推移したため13.8%増えたが、国内向けの落ち込みをカバーするまでには至らなかった。
 
 7〜9月期の総出荷が前年同期比4.6%減となったのも、同じく国内向けが9.0%減と大幅な落ち込みになったことによる。最大消費分野の硬質用が9.5%減となったのが大きく作用している。全体の落ち込みについては「PVC各社が打ち出した値上げ表明によって5〜6月に発生した前倒し需要の反動が出てきたことが大きい」(土屋隆・東ソー社長、前田宣忠・新第一塩ビ社長ら)と分析する向きが多い。
 もっとも、国内向けの今年の総出荷の見通しについては「1〜3月期が落ち込んだあとの4月から9月までの半年はほぼ前年同期並みの実績となっており、残る10〜12月期もおむね前年同期と同じ規模になると見られるので、年計ではわずかに前年を下回るにとどまるのではないか」(土屋社長)との見方が大勢を占めている。
 
 一方のVCM(塩ビモノマー)の9月の実績は、生産が前年同月を6.3%下回った半面、出荷は3.7%増となった。出荷の増加は、国内向けが0.7%増とかろうじて前年超えになったのに加えて、輸出が好調を維持して14.1%増となったことによる。輸出は今年に入って全ての月が前年を上回っている。
 この結果、7〜9月期トータルの実績は生産が4.2%増、出荷が3.6%増となった。出荷のうち国内向けは0.7%増と伸び率が低いが、輸出は12.5%増と引き続き2けた増を維持している。

ニュースリリース参照
○塩ビモノマー
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1161150633.xls

○塩ビ樹脂
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1161150633.xls