2006年10月18日 |
昭和電工、特殊材料ガス事業を大幅拡充へ |
2010年の売上高目標、05年比75%増の210億円 |
【カテゴリー】:経営(ファインケミカル) 【関連企業・団体】:昭和電工 |
昭和電工は18日、同社が中期経営計画「プロジェクト・パッション」の中で「成長ドライバー」として位置づけている特殊材料ガス事業の今後の成長・発展計画の概要を明らかにした。 現在同社では、半導体や液晶の市場で世界的にも差別性が高いと評価される合計18種類の製品をラインアップして高成長を続けるアジア地域の市場を主な対象に半導体製造プロセスとTFT-液晶製造プロセス向けを中心に特殊材料ガス事業を展開中。 05年の売上高は120億円で、同社の総売上高に占める比率はまだ小さい。しかし、同社が「戦略製品」として特に育成に力を入れている高純度NH3(アンモニア)、高純度N2O(亜酸化窒素)、高純度C12(塩素)の3製品はいずれも日本、台湾、韓国の3大市場で高い伸びを遂げ圧倒的なシェアを確保している。NH3(TFT-液晶/LED窒化膜形成が主用途)とN2O(システムLSI・フラッシュメモリー等酸化膜形成が主用途)ではともに世界トップの販売シェアを、またC12(TFT-液晶Siゲートエッチングが主用途)では世界第3位のシェアを保有している。 同社では、これら3製品は今後もアジア市場を中心に高い伸びを続けると予想している。05年から2010年までの年平均伸張率は、NO2で13%、NH3で15%、C12で24%になると同社では想定している。2010年時点ではC12も含めた3製品すべてで世界トップシェアを確保、合わせて「強化製品」と位置づけているC4F6とHBr、さらにはHigh-k材料などの開発製品の育成によって、2010年には特殊材料ガス事業部門全体の年間売上高を210億円に引き上げる考えだ。5年で75%の拡大を目指すことになる。利益については「対売上高比利益率20%を維持していく」(増渕憲夫・同社取締役化学品部門長)、ついては、「これら18品目の販売と生産拠点を日本以外にもタイムリーに広げていき、成長するアジア各地の需要家のニーズにより的確に対応していくようにしたい」(同取締役)としている。 |