2006年10月20日
ポリオレフィンの出荷、汎用フィルム品種が大幅減
パレット・コンテナー用や自動車用は依然好調
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 ポリオレフィン3樹脂の9月の国内向け出荷実績は全体に低水準にとどまったが、これには各樹脂の汎用フィルム用品種の落ち込みが大きく影響したと言ってよさそう。反面、パレット・コンテナー用や自動車部品用射出成形品種は引き続き順調な伸びを遂げており、品種によって好・不調に大きな格差が生じている点が明らかとなっている。
 
 主要品種の中で前年同月に対する落ち込みが特に目立つのはLDPEの一般フィルム用の5%減、HDPEの極薄・強化フィルム用の9%減、PPの延伸フィルム用の3%減といったところ。いずれも各樹脂の総出荷量に占める構成比率が1〜2位を争う量産型の汎用品種である。LDPEの一般フィルム用は8月が前月を6%上回っていたが、9月は一転して前年割れとなった。HDPEの極薄・強化フィルム用は8月の前年同月並みから前年同月割れに転じるかたちとなった。OPPは先月に続いての前年割れである。いずれも食品関連を主たる需要分野としている品種である。今年上期(1〜6月)合計も前年を下回っていたが、9月はさらに大幅な前年割れとなっている。
 
 一方、特に好調が目立つのはPPとHDPEによるパレット・コンテナー用とPPの工業部品用である。PPのパレット・コンテナー用は27%、HDPEのパレット・コンテナー用は13%それぞれ前年同月を上回っている。1月から9月までの累計もPP製品は15%増で、HDPE製品に至っては47%にも達している。木製品からの切り替えが食品業界を中心に活発なためと見られる。
 PPの工業部品用は7%増で、8ヵ月連続の前年同月超えとなっている。1〜9月計は前年同期の5%増となっている。需要のほとんどを占めている自動車部品向けが依然として好調なことによるもの。
 このほかでは、同じフィルム用でもPPの無延伸フィルムが10%増となっている点や、PPの シート用、LDPEの射出成形用、HDPEの中・大型缶用などが順調な伸びを遂げている点も注目される。いずれも独特の機能がかねてからそれぞれのマーケットで評価されている品種である。