2006年10月23日
汎用4樹脂の出荷、1〜9月累計は全て前年超え
フィルム用以外の品種が順調な伸び
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(実績/統計)
【関連企業・団体】:なし

 汎用4樹脂(ポリオレフィン3樹脂とポリスチレン)の出荷の今年1〜9月の累積は、いずれも前年同期を上回る規模となった。国内向け出荷が小幅ながらも軒並み前年同期を上回っている点が注目される。
 
 各樹脂の総出荷量(国内向けと輸出の合計)は、LDPE(低密度ポリエチレン)が3%、HDPE(高密度ポリエチレン)が1%、PP(ポリプロピレン)とPS(ポリスチレン)が2%それぞれ前年同期を上回っている。うち国内向けは、LDPEが1%増、HDPEとPPがともに2%増、PSが3%増となっている。
 昨年1〜9月の累計は、PPだけが前年同期を上回り、他の3樹脂はいずれもマイナス成長であったが、今年はかなりの様変わりの様相となっているわけ。いずれも、経済産業省や業界団体が昨年秋から年末にかけてまとめた06年の需要見通しを途中ラップながら上回るペースとなっている。
 ポリオレフィン3樹脂の国内向け出荷が前年同期超えには、フィルム用以外の品種の成長が大きく寄与している。LDPEでは電線被覆用の8%増や射出成形用の7%増が、HDPEではパイプ用の7%増や射出成形用の3%増が、またPPでは一般工業用の7%増や押出成形用の6%増などがそれぞれ全体を大きく押し上げる原動力になっている。反面、フィルム用はLDPEとHDPEでともに7%減少している。PPのフィルム用は1%増えているが、主力のOPPは4%縮小している。
 PSの場合は、FS用が2%減となっている以外が全て前年同期超えとなっている。この数年不振を続けてきた電機・工業用が5%増に転じている点が特に目を引く。
 相次ぐ値上げ表明も少なからず後押しする材料になっていると見られるものの、全体に機能をセールスポイントとする品種が順調な成長を遂げている点が注目される。
 PVCを合わせた汎用5樹脂の主要品種の9月の出荷実績と1〜9月の累積は別表の通り。

【関連ファイル】
汎用5樹脂の9月の出荷と1〜9月の累積
https://www.chem-t.com/news/files/tmp_file1_1161574314.xls