2006年10月31日
住友ベークライト、筒中プラスチック株式を公開買付け
完全子会社化し、吸収合併
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:住友ベークライト

 住友ベークライトは31日に開催した取締役会で、筒中プラスチック工業の発行する全株式の公開買付けを決議した。公開買付け後に筒中プラスチックを株式交換により完全子会社化し、時期をみて吸収合併することで筒中プラスチックと基本合意した。
 
 これについて住友ベークライトは31日、合併の目的やプラスチック製品をめぐる経営環境などについて、ホームページ上で次のように説明、公開した。

 ■公開買付けおよび株式交換による完全子会社化、合併の目的

(1)当社は平成16年3月に、当社グループの経営基盤の強化を目的として、筒中プラスチックの発行する株式の51%を取得し、連結対象子会社としました。その後当社は同社の自主独立を尊重しつつ、グループ経営におけるシナジー効果の発現を目指して同社と必要な協業を進めてきました。その結果、両社が個々に保有する材料分析評価子会社の合併、硬質塩化ビニルシートの合弁会社の一層の効率的な事業運営など、一定の成果を上げております。

(2)しかしながら、筒中プラスチックを取り巻く経営環境は、原材料価格の高騰、道路建設など公共事業の減少、光学事業分野の競争激化など、厳しさが増しつつあり、株主が期待する業績をあげることが困難な状況が続いております。筒中プラスチックの事業が、この苦境を乗り越え将来に向けて持続的な成長を遂げる為には、これまで以上の事業の選択と集中を図り、有望なコア事業に経営資源を再投入していくことが喫緊の課題であります。

 この課題に対処するためには、顧客と一体となって付加価値を高めていく製品開発力、これまでの用途に捕われず市場を開拓するマーケティング力、価格競争に負けないコスト競争力を一層強化することが必要であります。

(3)そのためには、筒中プラスチック単独で取組むより当社と一体となって取組む方が構造的にも、組織規模からも効率的且つスピードアップが図れるものと判断しました。
 すなわち筒中プラスチックのコア事業の持つ固有の競争力に、当社の有する研究開発力・マーケティング力を融合させ、製品に一層高度な機能を付与するとともに、少なくない重複間接費用を削減することで、コスト競争力強化も図れることになります。

(4)一方、当社は顧客と共に成長する素材メーカーとなることを標榜し、CS(Customer Satisfaction)推進活動とSBPS(Sumitomo Bakelite Production System:住友ベークライト生産システム)活動を通して、研究開発力、営業力、マーケティング力およびコスト競争力の強化に邁進しているところであります。

 筒中プラスチックの事業は、当社の生活関連(QOL:Quality of Life)セグメントに取り込まれていますが、完全一体化することにより、CS推進活動とSBPSを両輪とする活動の一層の推進を図ることができます。特に、建装材料分野で商流・物流の効率的活用が不可欠であり、両社のネットワークの融和が事業の総合力強化の原動力となります。

 以上の理由により、筒中プラスチックを完全子会社化した後しかるべき時期に吸収合併することとし、これまで以上に当社グループのQOL部門の持続的な成長を図り、当社グループが、株主、お客様にとって一層価値ある企業に飛躍できるものと確信するものであります。

 本公開買付けは、筒中プラスチックのすべての発行済株式(筒中プラスチックの保有する自己株式を除く。)を買い取ることを目的としており、筒中プラスチックの株主の皆様に対して近時の市場株価よりも有利な価格にてその保有する株式の売却機会を提供するものであります。本公開買付け価格535円は平成18年10月30日までの過去1ヶ月間の東京証券取引所における株価終値の平均値に約21.8%のプレミアムを加えた金額になります。本公開買付けに応募していただけなかった株主の皆様に対しては、完全子会社化を実現するため、速やかに株式交換を実施して、当社株式を割り当てる予定です。