2001年08月01日
ポリプラ、「超高耐熱液晶ポリマー」開発、上市へ
熱変形温度300℃、富士工場に年産200トン完成
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:ポリプラスチックス

 エンジニアリングプラスチックの大手メーカーであるポリプラスチックスとチコナ(本社、ドイツ・フランクフルト)の両社は1日、熱変形温度300℃という超高耐熱液晶ポリマーの開発に成功したため、8月から『ベクトラTシリーズ』として市場投入すると発表した。
 最初に上市する『ベクトラT130』は、融点が370℃、熱変形温度300℃という超高耐熱性を持っているだけでなく、機械物性や流動性でも現在上市している液晶ポリマー『ベクトラE130i』と同等程度に優れ、従来超高耐熱液晶ポリマーの課題だった成形機内での滞留安定性が大幅に改善されたとしている。
 
 液晶ポリマーの主要用途である表面実装電子部品の分野では、環境への対応から鉛フリーはんだの使用が拡大、これまで以上に過酷な条件をカバーする超高耐熱グレードが求められつつある。このためポリプラスチックスではこれらの要求に応えるグレードとして『Tシリーズ』を開発、上市することにした。 富士工場内に設備を完成。2002年の販売量200トンを予定。国内外のIT、電子部品関連メーカー向けを中心に市場を開拓していく方針。
 
 チコナ社は、セラニーズAG(本社、フランクフルト)のエンジニアリングプラスチック事業部門で、米国、ドイツ、英国、ブラジルに生産拠点をもっており、チコナ自身も欧米で同ポリマーの生産、販売を行う計画という。