2006年11月02日
三井化学、BPAの輸出価格を再度引き上げへ
PC向けは1,800ドル、EX向けは1,700ドルに
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、BPA(ビスフェノールA)のアジア諸国向け輸出価格の再修正に乗り出した。

 四半期単位で契約が見直されるPC(ポリカーボネート)向けについては、10〜12月期分をトン当たり200ドル引き上げることで同地域のPCメーカーの合意を得た。これに伴い同期のCFR価格は同1,800ドル平均に改められる。

 一方、月単位で価格交渉が行われるEX(エポキシ樹脂)向けの場合は、11月の船積み分を同100ドル引き上げることにしてこのほど需要家各社と交渉を開始した。CFR/1,700ドルが同社の目標。

 BPAの需要は、中国をはじめとしたアジア地域全域で引き続き順調な伸びを遂げている。PCの需要が光ディスク向けを中心に拡大していると同時に、EXの需要も電着塗装向けや合板の接着剤向け等に安定した成長を続けているからだ。

 一方の供給量は、台湾の長春石油化学が年産20万トン能力のフェノールプラントのメカニカルトラブルで大幅な減産を余儀なくされたのに加えて三井化学の同19万トン能力のフェノール第3号機が定修入りしたため総需要量を明らかに下回る状態となっている。
 このため、需要家の間にはタイト感が一段と強まっており、それがPC向けの第4・四半期の価格交渉の早期決着に結びついたと見られる。EX向けも比較的早い次期に同意を得ることになりそうだ。