2006年11月08日
BZのスポット価格がアジアで下降
リファイナリーの操業再開で需給が緩和
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 大手商社ならびにBZ(ベンゼン)の大手ユーザー筋によると、BZのスポット価格が世界各地でいっせいに下がり始めた。10月第3週末をピークに2週連続で下降線をたどっており、需要家の間には、今週末にもう一段の値下がりがあるとの見方が支配的となっている。
 
 大手商社や需要家筋の調べによると、直近のBZのスポット相場は、大口供給国である韓国のFOB価格と東南アジアのFOB価格がともにトン当たり910ドル、極東のCFR価格が同930ドルとなっている。10月第3週末の平均に比べると、FOB価格もCFR価格も同80〜90ドル安ということになる。8月末のレベルに戻ったといえる。
 
 BZのスポット相場は10月中旬入りとともに世界各地でにわかに上昇、第3週末には同1,000ドルの大台超えが米国でもアジアでも通り相場となった。最近のボトムの9月上旬の平均を160〜170ドル上回るレベルまで上がったことになる。
 
 それがここにきて大きく反落する事態となったのは、10月に集中的に発生した米国のリファイナリーの操業トラブルの多くが解決されると同時にアジア地域におけるリファイナリーの定修が終了したことによってて総生産量がもとの規模に戻り始めたためと見られている。
 つまり、タイト化が急速に進んでいた世界全体の需給バランスが正常もしくは緩和に向かいはじめたことが大きな要因ということになる。これに伴い、これまで原料高に悩まされてきたSM(スチレンモノマー)メーカーなど需要業界はとりあえず一息つくことになりそう。