2006年11月10日
SMのアジアの需給タイトが長期化
定修の集中に操業トラブルが重なる
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(海外)
【関連企業・団体】:なし

 わが国のSM(スチレンモノマー)メーカー筋によると、アジア地域におけるSMの需給逼迫が長期化の様相を呈してきた。

 これは、かねて予定されていたSMプラントの定修が相次いでスタ-トしたなかで非定修メーカーによる操業トラブルが折り重なるようにして発生したことによるもの。

 9月以降現在までに定修のため運休してきたSMプラントは、旭化成ケミカルズ、出光興産、千葉スチレンモノマー、太陽石油化学の計4社の合計5基の設備。総設備能力は年産71万4,000トンに達する。

 一時期にこれだけの規模の装置が運休するだけでも需給は大きく引き締まることになるが、10月に入ってからはこれに加えて火災事故やエチレンプラントの操業トラブルで大幅減産を余儀なくされるSMメーカーが日本、台湾、韓国の3カ国で相次ぐ事態となり、この結果需給の逼迫度合いが一段と深刻になってきている。

 このため、原料エチレンやベンゼンの国際市況が下がっているにもかかわらずSMのアジア相場は高止まりとなっている。直近の中国向けCFR価格はトン当たり1,250ドル前後で9月上旬の平均を30ドル強上回っている。SMメーカーの多くは、12月中旬ごろまではタイトバランスが続くと判断している。