2006年11月15日
PVCの10月の出荷、4ヵ月ぶりに前年超え
VCMは前年超えの連続記録が11ヵ月に伸びる
【カテゴリー】:実績/統計(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:塩ビ工業・環境協会

 塩ビ工業・環境協会が15日に集計したところによると、PVC(塩ビポリマー)の10月の総出荷数量は18万8,817トンで前年同月の実績を3.1%上回った。6月に前年同月を1.5%上回っていらい4ヵ月振りの前年同月超えとなった。
 
 総出荷量が久方ぶりに前年同月を上回ったのは、輸出が中国向けを中心に引き続き活発で前年同月比18.1%増の6万7,633トンとなったため。これで輸出は3ヵ月連続の前年同月超えとなった。
 しかし国内向けは、硬質用の大幅減(8.5%)減が響いて3.7%減の12万1,184トンとなっている。硬質用も国内向けもともに4ヵ月連続の前年同月割れとなった。
 他方、生産は18万8,079トンで前年同月を1.1%上回った。この結果、月末在庫は9万2,737トンとなった。前月比は0.8%減だが、前年同月に対比すると7.2%増ということになる。
 
 PVCのこうした10月の需給状況について土屋隆・同協会会長(東ソー社長)は「塩ビサッシの市場が順調に拡大するなど明るい材料も一部に見られるが、主力の硬質用全体の出荷は公共投資の抑制が響いて引き続き低迷状態から脱却できないままきており、この点がPVC業界全体にとって大きな悩みとなっている」と解説。そして「今後も硬質用の急回復には大きな期待が持てないのでしばらく我慢していくほかない。ついては、生産についてもより慎重な取組みが必要で、大洋塩ビはすでに5%の減産に入っている」と適正な需給バランスの維持が一段と重要になっている点を強調した。
 
 VCM(塩ビモノマー)の10月の出荷は24万2,295トンで、前年同月を3.2%上回った。11ヵ月連続の前年超えである。国内向けが1.0%増で2ヵ月連続の前年超えとなったのに加え、輸出が13.2%増えて11ヵ月連続の前年超えとなったことによる。


ニュースリリース参照

○塩ビ樹脂生産出荷実績表
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1163566299.xls

○塩化ビニルモノマー生産・消費・出荷実績表
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file2_1163566299.xls