2006年11月21日
チッソ、発光タンパク質標準発光キットを開発、発売
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:チッソ

 チッソ(東京都千代田区大手町)は、医薬品の開発や細胞内生体機能の解析用の高感度バイオフォトンセンサーとして、発光タンパク質「イクオリン」を販売中だが、21日、これらの解析に用いる各種発光測定装置とイクオリンとの適合性を簡単に確認するためのキットを開発したため、近く発売すると発表した。今後イクオリンを用いた化合物スクリーニングの普及を目指す。

 イクオリンは、発光オワンクラゲ由来のタンパク質で、微量のカルシウムイオンと特異的に結合し青色に瞬間発光する。この現象を活かして、カルシウムイオンの定量、細胞内カルシウムイオンの動的変化や、臨床診断の分野で多用されている免疫測定法等の発光センサーとして利用されている。
 
 同社は、アポイクオリン遺伝子のクローニングに成功し、組換えイクオリンとして、遺伝子、発光基質、高純度タンパク質をそれぞれ単独でも、組み合わせでも安定供給できる体制を整えた。

 一方、医薬開発の化合物スクリーニングでは、蛍光発光、化学発光やホタル由来ルシフェラーゼの発光で行っているが、発光基質由来のノイズや、感度などに難点があった。イクオリンのカルシウムによる発光は、ノイズがほとんどなく、瞬間的に強く発光して、数秒以内に終了するため、高感度な結果が短時間で得られる特徴がある。


ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1164098680.doc