2006年11月24日
東セロ、フィルム第5次値上げ交渉を決着
原料樹脂の第7次値上がり分を転嫁
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:東セロ

 ポリオレフィンフィルム大手の東セロは、このほど同フィルムの需要家である全国のコンバータのほとんどから第5次製品値上げについて同意を取り付けたことを明らかにした。

 対象はPP延伸フィルム、PP無延伸フィルム、L-LDPEフィルム、蒸着フィルムの各フィルムの全品種。上げ幅は品種や取り引き規模の大小によって異なり、1連(厚み20ミクロン、面積500平方メートル)当たり200円から300円の間。同200円のケースが最も多いという。実施時期は早いケースで11月1日出荷分から。遅いところは11月21日からとなる。関東と関西の両地域にそれぞれ1社づつ未決着の需要が残っているが、同社ではこれらについても月内に同意を得られる見通しとしている。

 今回の決着は、原料樹脂の第7次値上がり分を製品価格に転嫁するというもの。当初同社では、各樹脂の第7次と第8次の2度にわたる値上げによる総コストアップ分を一括して転嫁したいと考え、同500円の値上げを打ち出してコンバータ各社の説得に乗り出した。しかし需要家の反発が予想以上に強く話し合いが暗礁に乗り上げて打開の道が開けなくなったため、取り急ぎ第7次分の転嫁に全エネルギーを集中することにして再交渉に入っていたもの。

 その結果今回の決着で第7次の原料価格のアップ分はカバーできることになった模様。しかし、副資材の高騰に伴うコストアップ分は同社が引き続き負担していかざるを得なくなっているという。しかも、原料レジンの需給がタイトになってきたため樹脂各社が8月に打ち出した第8次値上げを同社も他の樹脂加工企業と同様に11月から受け入れるほかなくなっており、したがってこのままいくと再び採算を大きく圧迫されることになると同社では説明している。