2006年12月05日 |
旭硝子、画期的な平坦化性能をもつ銅配線用CMPスラリーを開発 |
【カテゴリー】:新製品/新技術 【関連企業・団体】:旭硝子 |
旭硝子は5日、半導体集積回路の銅配線製造工程で、銅メッキ後の研磨(CMP:Chemical Mechanical Polishing)によるディッシング(配線部のへこみ)が、ほとんど発生しない銅配線用CMPスラリー「アプラナドール」(商品名)の開発に成功したと発表した。 従来の製品は、研磨工程時に500オングストローム程度のディッシングが発生してしまうため、銅メッキを厚く製膜しなけれならず、ディッシングそのものが歩留まりを大きく低下させ、コスト高を招いていた。 今回の開発により、銅メッキ膜厚を従来よりも薄くすることができ、製膜及びCMPの時間短縮が可能となった。また、ディッシングの減少により歩留まりの大幅な向上が見込まれることから、半導体集積回路の製造コスト低減につながると期待している。 マイクロプロセッサ、メモリーなどの高性能半導体集積回路は、プロセスの微細化に伴い、配線抵抗値が大きくなる傾向があり、これが発熱問題の主要因となり、歩留まりの低下、動作周波数の向上を妨げている。 このため、配線用素材については、現在主流のアルミニウムから、より抵抗の低い銅への切替が加速的に進んでおり、それに伴い、銅配線用CMPスラリーの市場規模は2005年の約400億円から、年率20%の成長を続けている。 旭硝子は、1993年から子会社、セイミケミカルで独自の砥粒製造技術を用いたセリアを材料としたSTI用CMPスラリーを、材料から一貫生産し世界各国に販売してきた。 同社は今年12月から「アプラナドール」のサンプル提供を行い、07年には量産開始する予定。また、2010年に銅配線用CMPスラリー市場で世界シェア25%以上獲得を目指し、販売力を強化する。製造拠点もグローバル展開を図っていく方針である。 【セイミケミカル社の概要】 (1)社名 :セイミケミカル株式会社 (2)本社所在地 :神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎3丁目2番10号 (3)代表者 :取締役社長 安藤 豊 (4)資本金 :10億円 (5)株主構成 :旭硝子100% (6)主な製造拠点 :茅ヶ崎工場、鹿島工場、 台湾、中国 (7)事業内容 :電池材料、液晶材料、研磨剤、含フッ素機能商品、 機能性高分子モノマー、光ファイバー材料 (8)創立 :昭和22年12月18日 (9)従業員数 :360名 ニュースリリース参照 http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1165294620.pdf |