2006年12月05日
容リ協によるPETボトルの回収が依然低迷
10月も13,000トンどまりで19ヶ月連続の前年割れ
【カテゴリー】:環境/安全(行政/団体、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:日本容器包装リサイクル協会

 国の指定法人である日本容器リサイクル協会が容器包装リサイクル法に沿って10月中に全国の市町村から回収した使用済みPETボトルの数量は13,064トンとなった。前月の引き取り量を11.1%、前年同月の実績を18.2%それぞれ下回っている。

 この結果、同協会による使用済みPETボトルの月間引き取り量は19ヵ月連続で前年同月を下回ることとなった。過去最高の平成16年9月の引き取り量の66.0%まで縮小したことになる。

 こうした事態となった最大の要因は、市町村の多くが容器包装リサイクル法に沿って一般家庭から分別収集した同ボトルを同協会に引き渡さずに対中国トレーダーに売却するようになったことにある。分別収集の費用を少しでも回収しようとの考えによるもの。

 このため財務省が集計した10月のPETくず等の輸出通関数量は28,406トンと同協会の引き取り数量を大きく上回る規模になっている。財務省が統計を取り始めた今年1月以降では最大規模であり、うち中国向けと香港向けの合計が27,522トンと圧倒的多数を占めている点が注目される。

 こうした輸出の拡大によって、同協会による今年度の総引取り数量(今年4月から10月までの累計)も89,214トンの小規模にとどまっている。前年同期を18.8%下回っており、このままいくと2年連続の前年度割れとなる。