2006年12月05日
ナフサのスポット価格が急騰
C&Fジャパンは590ドル強に
【カテゴリー】:市況(海外、原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:なし

 ナフサの国際スポット相場が今週に入って各地で急騰してきた。わが国の商社や石油・石油化学企業等が国際市場で契約した先物の直近の価格(C&Fジャパン価格)の平均はトン当たり590ドル強となっている。1週間前に比べると約42ドルの値上がりである。最近のボトムの10月中旬に比べると74〜75ドル高い。9月初旬の水準に戻ったことになる。

 多くの商社とエチレンセンターは、米国におけるヒーティングオイルの需要が急拡大してきたこととOPEC各国が追加減産に踏み切るのではないかとの観測がトレーダーの間に広まってきたことによって原油のスポット相場が各地で再騰してきたのがここにきてのナフサの急騰の最大の要因と分析している。

 また、アジア向けの上昇率が特に高い点については、インドが天然ガスの高騰に対処して発電用にナフサの使用を再開して輸出を絞るようになったことと、中東産油国が冬季に入って需要の拡大が著しい欧州向けにこれまで以上に積極的にナフサを振り向けるようになってきたことが大きく影響していると判断。したがって、早期にアジア向けのオファー価格が反落することにはならないと予想している。