2006年12月06日 |
天羽・デュポン社長が記者会見 |
グループの長期ビジョン等を説明 |
【カテゴリー】:経営 【関連企業・団体】:デュポン |
デュポン(本社:東京都千代田区永田町、天羽稔社長)は6日に定例の社長会見を開き、米・デュポンが最近発表した「2015 Sustainability Goals(2015年を当面の目標期限とした持続可能性に関する企業公約)」の概要を説明、合わせてこの公約を実現するために日本で展開していく戦略ビジネスとそれを支える技術のアウトラインを披露した。 会見では、最初に天羽社長が「2015 Sastainability Goals」のポイントを紹介、次いで同社が日本で育成に特に力を入れている「バイオベース素材」「プラズマディスプレイ向け環境対応素材と新生産プロセス」「太陽光発電システム関連材料」「自動車向け要素技術と製品」といった各戦略製品と技術の概要を当該事業部門のリーダが説明した。 天羽社長の説明によると、デュポンが今回公表した〓2015年公約〓は、公約の対象範囲を拡大して、従来から同社が他社に先駆けて積極的に取り組んでいる環境負荷の削減に加え、売上げ目標や研究開発投資目標など市場から期待される経営目標も合わせて明示したもの。「安全、環境、エネルギーおよび気候変動を視野に入れてグローバル市場でビジネスを一層拡大、2015年までに60億ドル超の売上増を目指すという点が重要ポイント」と天羽社長は解説する。 売上げや研究開発投資に関しては以下の4項目を目標に掲げている。 (1)環境上大きなメリットをもたらす研究開発プログラムに対する投資を現在の2倍の規模とする。 (2)省エネや地球温暖化ガス排出量の削減実現する製品の売上げ高を年間20億ドル超に拡大する(これによって顧客および消費者は4,000万トン以上のCO2の削減を果たせる見通し)。 (3)非枯渇資源からの製品の売上げを現在の2倍の80億ドルに引き上げる。 (4)世界中の人々の安全を守ることができる製品を新たに1,000以上開発して市場に投入するとともに必要なサービスを提供していく。 ちなみに、デュポンの過去5年の総売上高のうちの3分の1は新製品で占められているという。 一方、環境負荷の軽減に関する目標としては以下の6項目を挙げている。 (1)デュポンは世界中の事業所から排出される地球温暖化ガスの量をCO2換算で90年以降72%削減してきたが、さらに2015年までに04年比15%以上カットする。 (2)水の使用量を今後10年間で30%以上削減する。 (3)石油代替燃料技術の活用等で2015年までに社有車の全ての燃費を向上させる。 (4)デュポンはこれまで大気中の発がん性物質の排出量を90年比92%削減してきたが、さらに2015年までに04年比50%以上を削減する。この場合は90年以降では96%の削減となる。 (5)2015年までに、第三者機関によって世界中の事業所における環境保護管理の目標とシステムの有効性を客観的に検証し各地域に公表することとする。 (6)全エネルギーの使用量のトータルを90年のレベルに据え置き、再生可能な資源からの利用比率としては引き続き10%を目指していく。 同社長は、「こうした目標をきとんとクリアすることで真の〓ダイナミック・サイエンスカンパニー〓として成長・発展を遂げていくようにしたい」と述べて会見を締めくくった。 |