2006年12月07日
日本勢、PTAの中国向け輸出価格を底上げへ
12月分をCFRトン910ドルでオファー
【カテゴリー】:原料/樹脂/化成品(市況)
【関連企業・団体】:三井化学、三菱化学

 三菱化学と三井化学はこのほど相次いで中国のポリエステル大手企業との間でPTAの12月の輸出価格交渉を開始した。

 両社とも、トン当たりのCFR価格を910ドルに底上げしたい考え。11月の価格は10月比20ドル高の900ドルであったが、12月はさらに10ドル底上げすることにしているもの。減量PX(パラキシレン)の12月の価格が11月比30ドル高の同1,030ドルに決定したためどうしても再修正が必要と両社では説明している。英・BPも同じく同910ドルでオファーしている模様。

 中国からのPTAの引き合いは、ポリエステル繊維メーカーの多くが近く来年春ものの生産を開始する予定にあることと、過剰状態にあったポリエステル重合企業の間のPTAの在庫が11月末までに適正規模まで縮小してきたことが重なって12月入りとともに再び活発になってきている。

 ただし、台湾や韓国のPTAメーカーの中には年末決算を控えて在庫処分を急ぐあまり900ドル割れをオファーするところがある。このため三菱化学や三井化学、さらにはBP等の大手サプライヤーとの交渉は長期化する公算が高い。うち三菱化学は、提示価格が受け入れられない場合は12月の輸出をスキップする構えだ。