2001年07月27日
旭化成、エラストマー事業大幅拡大へ、新規オレフィン系も事業化
“競争優位事業”と位置づけ戦略的展開
【カテゴリー】:ファインケミカル
【関連企業・団体】:旭化成

 旭化成はエラストマー事業拡大のため、2002年春完成を目標に川崎工場の生産能力を大幅増強すると発表した。また自社開発した新規オレフィン系エラストマー専門設備も新設する。エラストマー事業を競争優位事業と位置づけ、積極的に強化、拡大を図ることにしたもので、計画内容は次の通り。
 
(1)特殊透明樹脂『アサフレックス』
 本年4月に発表し市場で評価の高い「iシリーズ」を主力製品として、現有年産3万トン設備を同5万トンに増強、さらに市場拡大を目指す。

(2)スチレン系水添エラストマー『タフテック』
 樹脂改質用特殊グレードの高機能エラストマーで、大分工場と合わせて現有年産1万トンの生産能力を2万トンに拡大する。とくに選択水添ポリマーの
『タフテック-Pシリーズ』に注力し、国内、海外へ展開する。

(3)新規オレフィン系エラストマー『SOE』(仮称)
 新規開発したオレフィン系エラストマー生産用として年産1万5,000トンの専用設備を建設する。需要の拡大にあわせて早期に1万トン程度のデボトル増強を計画する。
 
 今回開発した新規エラストマーは、「エチレン-ブチレン」構造のものと、「エチレン-ブチレン-スチレン」構造のものの2種類。前者は耐衝撃性や曲げ弾性などポリオレフィンの改質にすぐれた性能を発揮する、また後者はまったく新しい構造のポリマーで、「塩ビ樹脂に変る非ハロゲン軟質素材として有望」と同社では説明している。