2006年12月13日
ポリプラ、液晶ポリマー「ベクトラ」重合設備 大幅増強
【カテゴリー】:経営
【関連企業・団体】:ポリプラスチックス

 わが国エンプラ最大手のポリプラスチックスは13日、富士工場でスーパーエンプラである液晶ポリマー(LCP)「ベクトラ」の重合能力増強を決めたと発表した。
 
 増強規模は年産3,000トンで、07年5月に着工し08年3月完成、4月かが稼動開始の予定。所要資金は約40億円(時期増設分含み)。同工場の「ベクトラ」重合能力は、現有年産5,200トンから同8,200トンとなる。

 LCPは、高耐熱スーパーエンジニアリングプラスチックとして、パソコンや携帯電話などの電子部品を中心に幅広い産業分野で活用され、市場は高い成長を続けている。
 
 とくに電子部品の超小型化や、環境に配慮した鉛フリーハンダ使用の表面実装化に適合できる先端素材として、その地位を確固としてきた。同社の「ベクトラ」も好調で、06年の販売量は前年比約25%の成長が見込まれている。
 
 世界の06年のLCP市場規模はコンパウンドベースで約30,000トンと推定されているが、そのうち3/4はアジア地域に集中しており、アジア地域でのLCP需要は今後も高い成長が続くと予想されることから、今回の能力増強となった。

 「ベクトラ」は、特長ある低反りシリーズの成長も寄与して、LCPの最大用途であるコネクター市場向けの販売がとくに好調。新タイプの高耐熱型LCPもハイエンドのコネクター等へ採用が拡大している。新規市場であるフィルム・繊維等押出用途への材料・市場開発も進展中という。

 同社は、今後も数年内に10,000トン超への拡大を視野に入れた積極的な事業展開を行ない、LCPトップメーカーとしての地位を維持・強化していきたいとしている。

【会社概要】
◇社名 :ポリプラスチックス株式会社 (英文社名:Polyplastics Co., Ltd.)
◇設立 :1964年5月
◇資本金 :30億円
◇株主 :ダイセル化学工業(55%)、Ticona社(45%)
◇代表者 :代表取締役社長 神村 安正(こうむら やすまさ)
◇事業内容 :各種ポリマー及びプラスチックス等の製造販売
◇取扱製品 :ポリアセタール樹脂「ジュラコン」、PBT樹脂「ジュラネックス」、液晶ポリマー「ベクトラ」、PPS樹脂「フォートロン」、GF-PET樹脂「FR-PET」、環状オレフィンコポリマー「TOPAS」
◇工場 :富士工場(静岡県富士市)、大発工場(台湾高雄県)、クアンタン工場(マレーシア パハン州)、南通工場(中国 江蘇省)
◇研究所 :研究開発センター、テクニカルソリューションセンター(静岡県富士市)
◇販売拠点 :名古屋、大阪、台北(台湾)、香港、上海、広州、重慶(以上中国)、バンコク(タイ)、クアラルンプール(マレーシア)、シンガポール、ムンバイ(インド)
◇売上高 :約876億円(2005年1月から12月)

ニュースリリース参照
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1165983632.doc