2006年12月18日
三井化学、EX向けBPAの輸出価格を再引き上げへ
中国の大手EX各社に1,750ドルを提示
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学はこのほど、中国の大手エポキシ樹脂(EX)企業各社に対してBPA(ビスフェノール-A)の来年1月の輸出価格をCFRトン当たり1,750ドルに引き上げる旨を表明し、了承を求めた。
 
 直近の船積み分のCFR価格は平均同1,700ドルで、11月に比べると50ドル高となっているがこれをさらに50ドル引き上げることにしたもの。実現すれば、昨年春のレベルまで戻ることになる。ただし、最近のピークの04年末に比較するとまだおよそ330ドルの開きがある。
 
 もともと、アジア地域におけるEX向けBPAの価格は、その時々のEXの需給バランスの変動に極めて大きく左右される性格を持つ。これはシップメントベースの価格決定方式が一般的となっていることによるもので、このため、四半期単位で価格が決められるポリカーボネート(PC)向けのBPAには見られない大幅な上下動がしばしば繰り返されてきている。
 
 過去3年は特に動きが激しい。EXの需要が不振であった04年2月頃までは同1,060ドルの低水準に張り付いていたが、その後に中国を中心としたアジア地域全体でEXの需要が急回復してくるとそれにつれてEX向けのBPAのスポット価格も急上昇、04年10〜11月には一気に2,080ドルに達してPC向けを逆に280ドル前後上回るに至った。しかしそれも長続きせず再度需給が緩んでくると急反落して昨年末には1,180ドルまで下がった。現在は、再びEXの需給が引き締まってきたため再浮上中というところだが、この3年の間で生じた変動幅は実に1,020ドルにおよぶ。主要化成品の中では極めてまれなケースだ。
 
 今回の三井化学の再値上げ表明も、中国におけるEXの需要と価格がともに順調に拡大してきて同社に対する引き合いが一段と活発になってきたことに対応してのもの。年明けには満額回答が得られるのではないかと見られている。一方のPC向けの中国向けの今年第4・四半期の価格は1,750ドルとなっている。したがって今回のオファーが通るとPC向けと完全に肩を並べることになる。
 もっとも同社では、2月にはEX向けの価格をさらに50ドル引き上げたい考え。それが実現すると、PC向けの来年第1・四半期の中国向け価格が決定するまではEX向けがPC向けを上回ることになる。