2006年12月18日
セイコーエプソンが液晶新パネルを開発
開口率を20%アップ、明るく、コストも
【カテゴリー】:新製品/新技術
【関連企業・団体】:セイコーエプソン

 セイコーエプソンは3LCD方式の大型液晶プロジェクションテレビの性能を高める高温ポリシリコンTFT液晶パネル(HTPS)を開発、サンプル出荷をはじめた。

 新パネルは全く新しい高精細加工技術により超開口率化を実現した。TN(Twisted Nematic)型従来パネルに比べ20%以上開口率がアップしている。同社ではこの新技術とリアルフルHD対応により、フルハイビジョン映像が手軽に楽しめるとしている。

 新パネルは新しいデザイン技術を採用することで開口率を向上、同一ランプでの輝度向上または同一輝度の製品での使用ランプの低ワット化、同一解像度でのHTPSパネルの小型化が可能となり、明るく、環境に優しく、コストパフォーマンスの高い製品を実現した。

 従来の0.9型で実現していた、大型液晶プロジェクションテレビ向けリアルフルHD(1080P)解像度を0.7型というサイズで行えるため、コスト競争力が大幅にアップした。

 この結果、輝度向上のほか、低消費電力化、製品の小型化・低価格化が実現した。従来品との比較では画面サイズ(対角)が2.3センチから1.9センチに、画素ピッチが10ミクロンメートルから8.5ミクロンメートルに、開口率が51%から55%になった。

 3LCDはHTPSパネルを3枚使い、明るく、自然で、目に優しい映像を生み出すプロジェクター方式。ランプから出た光を赤、緑、青の3色(光の3原色)に分解し、それぞれの色ごとに液晶パネルを割り当てて透過させ、再び色を合成して映像を映し出す。光を3原色に分解しているため、明るい部屋でもきれいな色が出るという特徴がある。

 3LCD方式の採用メーカーは日本の日本アビオニクス、映機工業、セイコーエプソン、富士通ゼネラル、日立製作所、三菱電機、松下電器産業、三洋電機、ソニー。ベルギーのBARCO、韓国のDAEWOO、SINDORICOH、Hustem、台湾のEverest Display、中国のACTO、SKYWORTH、XORO、KONKA、米国のViewSonicなど。