2006年12月27日
三井化学、BPAとEXの再値上げを表明
1月出荷分から16〜18円引き上げ
【カテゴリー】:市況(原料/樹脂/化成品)
【関連企業・団体】:三井化学

 三井化学は、ビスフェノールA(BPA)とエポキシ樹脂の国内価格をそれぞれ07年1月の出荷分から再改定することにして需要家各社と折衝を開始した。
 
 上げ幅はBPAが1キログラム当たり16円。EXが同18円。BPAの場合は今年7月に実施した同25円の価格修正に続くもので、この1年では2度目の値上げとなる。EXは、今年10月の同12円の引き上げに続く過去1年で3度目の価格改定となる。

 今回の値上げもこれまで同様に原燃料の高騰に対処してのもの。BPAの上げ幅を同16円に設定したのは、原料ベンゼン(BZ)の来年1〜3月期の価格が現在より同10円引き上げられて同120円となるのが必至の見通しとなってきたことと、C重油の価格が従来のキロリットル当たり30,000円から55,000円前後に引き上げられてそれに伴うコスト負担分がこれまでの未転嫁分を含めて同12.5円に達する見込みとなってきたため。

 本来ならBZ価格の上昇分の同10円とC重油の高騰分の同12.5円の合計22.5円の値上げが必要だが、C重油の高騰分を全面転嫁することに対してはかねてから需要家の抵抗が強いため転嫁率を50%に抑えて同6円とし、合計の上げ幅を同16円にとどめることにしたと同社では説明している。

 一方のEXの上げ幅を同18円としたのは、これまでEX価格に転嫁し切れないできた従来のBPAの価格上昇分と今回のBPAの改定分との合計が同26円となるので、それに原単位の0.7を乗じた値の同18円の底上げを図ることにしたもの。

 BPAもEXも、最近は需要が国の内外ともに活発化している。BPAの場合はポリカーボネート(PC)メーカーによる相次ぐ新増設が、またEXの伸びには自動車塗料向けの需要の拡大がそれぞれ大きく寄与している。一方の供給能力は、韓国と台湾における新増設が完了した昨年7月以降変化なくきている。このため最近の需給バランスはアジア全体で急速に改善され、タイト化の傾向にある。

 それに伴い需要の中心地であるアジアの市況は月を追って上昇、BPAの中国向けの直近のトン当たりのCFR価格はPC向けが1,750ドル、EX向けが1,850ドルとなっている。年初に比べると650〜750ドル上がったことになる。EXの現在のCFR価格は同2,900ドルで年初に比較すると600ドル高となっている。
 同社では、アジアの需給は1月以降完全なタイトバランスになり、市況はさらに上昇すると予想している。