2007年01月09日 |
寧波三菱化学のPTA工場が稼動開始 |
60万トン装置、2月初旬には本稼動入り |
【カテゴリー】:経営(海外、原料/樹脂/化成品) 【関連企業・団体】:三菱化学 |
三菱化学が日本並びに中国の資本と組んで中国に設立したPTA(高純度テレフタル酸)の製造会社「寧波三菱化学有限公司」は、同社が昨年末に中国浙江省寧波市の工業開発区内に建設した年産60万トン能力のPTAプラントの試運転を今年1月1日から開始した。現在順調に稼動中で、2月初旬には本格操業に移ることになりそう。 今回PTAの新プラントを完成した「寧波三菱化学」は、三菱化学61%、伊藤忠商事35%、三菱商事4%の出資による「寧波PTA投資株式会社」が全体の90%を、また「中国中信集団」が残り10%をそれぞれ出資して05年4月に中国に設立したPTA専業企業。資本金は1億800万米ドル。社員は約180人。05年5月に同プラントの建設に着手し、06年末に完工した。建設所要資金は3億1,400万米ドルとなった模様。 これで三菱化学によるテレフタル酸の製造拠点は、既存の日本、韓国、インドネシア、印度を合わせて5ヵ所となった。それぞれの年間生産能力は日本(松山工場)がQTA25万トン、PTA14万トンの合計39万トン、韓国(三南石油化学)がQTA130万トン、PTA30万トンの合計160万トン、インドネシア(三菱ケミカルインドネシア)がPTA64万トン、インド(MCC PTAインディアプラント)がPTA47万トン、そして今回の中国がPTA60万トンで、総合計は370万トンとなった。BPケミカルに次ぐ世界第2位の規模である。 今回進出した中国は、世界最大のPTA消費国で05年の総需要量は前年比17%増の約1,200万トンに、また輸入量は前年比15%増の約650万トン達した。06年も引き続き高い伸びを遂げており、1月から11月までの総輸入量は595万トンで、前年同期を23%上回っている。 ポリエステル繊維の国内需要が順調に伸びているのに加えて対米・対欧輸出も好調なためで、したがって今回の60万トンの大型プラントもスタート当初から高率操業を維持していくことになると見られている。 なお三菱化学では、インドのプラントを08年6月に80万トン増やして合計127万トンに拡大する計画。 |